木目込み雛人形を選ぶ際、
お店へ行っても、オンラインで見ても、
作家さんの名前が必ず上がってくると思います。
それぞれの作家さんを比較する時、何を基準に選びますか?
今回は有名な作家さんの背景や、歴史、デザイン、価格帯をまとめました。そういったバックグラウンドを知ることで、より自分に合った愛着の湧く1点を見つけられると思うのです。それぞれの作家さんの作る雛達の表情や顔つきも、きっと大切な基準になりますね。
では、見ていきましょう。
雛人形、木目込み人形はまず作家を知ろう
木目込み人形は、通常のお雛様と比べても少し個性が光るタイプですね。その分「これ!」と気に入られ、長く愛されるのが特徴です。また、スケールも小柄で、近代住宅事情に合っているほか、お顔が赤ちゃんのようにふっくらして愛嬌があります。娘や、孫娘に似ているから、と選ばれる方も多いようですね。
もちろん、作家さんによってもそのお顔は変わってきますし、価格帯やデザインの特徴も出てきます。
ここでは一つの基準として、価格帯の高い順に作家さんについてレポート。
早いところで11月からモデルを公開し始めますが、作家さんの雛人形は人気のため、1月の半ばには売り切れのモデルが出始めます。
どこの人形屋さんも、1月はお正月をお祝いする暇がないくらい忙しいと言います。ぜひ、こだわりの雛人形を探したい方は、お早めに。
雛人形、木目込み人形伝統工芸士
金林真多呂
金林真多呂 Mataro Kanabayashi
Back ground
木目込み人形発祥の地である京都上加茂神社から、その技術を持ち帰り東京へ持ち帰り磨きあげた技術を正統伝承する「真多呂人形」は、経済産業大臣指定伝統工芸として認められています。初代金林真多呂はそれを直に学び、自らの創意工夫を加え発展させてきました。現在は二代目・金林真多呂さんが現代継承しさらに近代性を加え活躍されています。
上野にショールームを構え、今では全国の店舗や楽天をはじめとするオンラインでも購入可。十七人飾りと規模の大きいものまでが揃います。
雛人形はじめ、五月人形、古今浮世人形、ご自身で手作りできる人形キットも多く取り揃います。
人形の表情
ふっくらとした京美人の少女顔・大人顔、目がパッチリとした幼顔、5歳くらいをイメージした子供顔があります。幼顔は瞳入りで、あどけない眼差しでしっかりと前を向いています。
価格帯:最小額68,040円(幅25㎝の超コンパクトサイズ)〜最高額(段飾り・幅160㎝)3,456,000円と、真多呂で最大級・最高級の雛人形までが揃います。
公式ウェブサイト・オンラインショップ
https://www.mataro-doll.com
雛人形、木目込み伝統工芸士
柿沼東光
柿沼東光 Kakinuma Toko
Back ground
埼玉県越谷を拠点に伝統工芸士として活躍する柿沼東光(かきぬま とうこう)さん。23歳で吉徳大光氏に師事し京都から江戸へ伝わり発展した江戸木目込みを学びます。現代にふさわしい創造力を伝統に反映させた作品が高く評価され、1999年55歳で日本の「経済産業大臣認定伝統工芸士」として選出されました。今も東京と中小企業振興公社主催の「東京手仕事」にも登録されています。
雛人形のいくつかのモデルは、伝統工芸品として認可されたものも多数。
雛人形の他にも五月人形、海外でも人気な招き猫も必見。個人的には、木目込みトレイが欲しいです。海外の人へのお土産にも喜ばれそうな逸品!
人形の表情
基本的にお顔はクラシックで伝統的なお人形のお顔です。優しく微笑むものからきりっとした印象のものまで様々な表情があり、量生産のように、これと決まったお顔がありません。それぞれが異なるお顔立ちで、気に入りを選ぶのも楽しみ。(・・・と共にきっと選ぶのは大変) オンラインショップではモデル一つ一つのこだわりの説明が見られ、全てお人形の顔のアップを見ることができます。
価格帯:最小額のもので 65,000円(幅30㎝)〜、最高額650,000円、いずれも親王飾り。
立ち雛から15人飾りまで、また価格も上記の価格帯のなかから満遍なく選ぶことができる。
●オフィシャルウェブサイト
http://www.kakinuma-ningyo.com
●公式オンラインショップ
http://kakinumatoko.shop
雛人形、木目込み人形師
原 孝州
原 孝州 Kosyu Hara
Back ground
東京柳橋を拠点に創業明治44年から親子3代にわたり107年続く老舗。初代・原 米州の無形文化財と認定されたその技術を娘の孝州さん、孫娘の現代表・裕子さんの二代がそれぞれの作風で確かに継承する由緒ある人形店。”我が子の健やかな成長を皆で寿ぎ、喜び合う“日本の文化を伝えていきたいという理念を掲げた温かな会社です。クラシックなデザインが多く、15人飾りまで幅広く選べ、親王飾りは台座や屏風などが好みに組み合わせられる、カスタムオーダーシステムがあります。全体的なデザインよりも、名門織元の衣装地採用や、歴史あるデザインの復元などにより、クラスが異なる印象です。要予約。
雛人形のほか、五月人形、盆提灯、お正月飾りを取り扱っています。
人形の表情
やや横長のおぼこ顔、赤ちゃんのような福々しい柔らかな丸顔、少し成長し凛とした表情の細顔面の三種が揃います。優しい色でうっすらと描れた目は、柔らかくも芯のある眼差しを感じます。
お顔については詳しく説明された公式ウェブサイトのページがありました。
http://hina.hara-koushu.com/choice/#maru
価格帯
最小額で65,000円(幅45㎝)〜最高額500,000円
多いのは100,000・200,000円代
●公式ウェブサイト(購入可)
人形の人数、サイズ、価格などの条件から絞り込み検索することもできます。
http://hina.hara-koushu.com
雛人形、木目込み人形作家を知る①、まとめ
雛人形の作り手として活躍されている作家さんは、まだまだいらっしゃいます。
一つの記事では紹介しきれませんので、次の記事②でまた続きを書こうと思います!
続きはこちら
雛人形、木目込み人形作家を知る②。一秀、喜久絵、ひととえ、ふらここ
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